条件付きですが、Illustrator CS2を無料でインストールし、試用できる方法があります。
ライセンスを所有している人はAdobeサイトにてダウンロードしインストールできていたようですが、今現在はダウンロードもメディアからの再インストールもできないようです。(CS2~4の再インストールはできない、とあります)https://helpx.adobe.com/jp/creative-suite.html
ですが、一部のサイトで教育目的に限定してフリーでインストールできるようにイントールメディアの内容が公開されています。
いきさつ
巷のオークションサイトなどにCS2の各種アプリのライセンスが有料で出品されているのですが、そのライセンスの正否に関して全く裏付けが取れませんでした。
ボリュームライセンスかも知れませんが、それならそう書けばいいでしょうし、出品者が正規のライセンスを何名分も所有していることが不自然に感じられ、自分なりに調べてみました。
2013年の古い記事に書かれていた記事には、2012年の12月13日にAdobeのオンラインアクティベーション用サーバーが停止され、アクティベーション不要のソフトが公開されたとあります。
シリアルが公開され、アクティベーションする必要がないということは、登録の必要もないので事実上ライセンスフリーということになります。どう見ても誰でもが自由に使っていいと言っているようなものです。それゆえ「ライセンスフリーのCS2のライセンスを販売する」は、意味不明です。
当時のAdobeの措置はあくまでもCS2のライセンスを所有している人のための便宜的措置とのことですが、誰でもダウンロードでき、認証不要なら勝手にインストールする人がいても文句は言えない気がします。
一人歩きすることぐらい誰でも想像できますので、恐らく確信犯的な公開だったのではないかと想像します。その後発生した問題にはその場しのぎですませていますので、公開することで発生するリスクよりもサーバーを維持管理することのリスクやコストの方がAdobeにとっては大きな問題だったのでしょう。
それならそれで、古いアプリは公共のためにパブリックドメインとして提供するぞ、とでも言ってくれればAdobeを見直すところですが・・・。
教育目的に限定してインストールメディアを公開
https://archive.org/では、教育目的に限定してCS2を公開しています。以下はWindows版へのリンクです。
※このサイトの運営やデータをアップした組織の是非についてはご自身でご判断ください。
右にあるISO IMAGE FILEをダウンロードします。この配布用アプリのシリアルは、WEBページにも記載されていますし、ダウンロードしたファイルの中にもあります。
今回試したかったのはIllustratorだけでしたが、パッケージになっているためCS2のすべてのデータが落とされてしまいました。
落としてから必要なものをインストールすればいいのですが、とにかく容量が大きいので、ダウンロードに一晩かかりました。
あとでわかりましたが、それぞれのアプリで必要なファイルは、フォルダにまとめられているため、必要なアプリが入っているどちらかのISOファイルをダウンロードすればOKだったようです。
これらファイルを使用する上での注意書きは以下のような内容です。
Disclaimer: Adobe is not endorsed with A-ManWare or ShermanTech. We upload these ISO files for educational use only. We worked hard on this project. Please support us with feedback!
免責事項:Adobeは、(アーカイブサイトの運営、データをアップした)A-ManWare もしくは ShermanTechを推奨しているわけではありません。私たちは、これらのISOファイルを教育目的に限定してアップロードしています。私たちは、このプロジェクトに懸命に取り組んでいます。ご支援いただけますよう、フィードバックをお願いします。(あやしい翻訳であることをご了解ください)
Illustratorビギナーには練習用としてよいかも
今回はWindows版をWindows10にインストールして試用してみました。
Windows版のCS2は、時期的にWindowsXp用なのですが、Win10でも不完全ながら動作はするようです。
日本語版があるかどうかはわかりません。動作確認が目的なので英語版をインストールしています。
メニューなどがつぶれて表示されている箇所が何か所かありました。また、Windows10で発生する特有の不具合、たとえば拡大縮小時にフリーズするなどの現象もしっかり発生しました。
典型的な不具合についてはネット検索すれば大概解決案が出ています。
まとめ
いくつかの問題はあるものの、Illustratorがどんなものかを勉強する分にはCS2でも十分です。
初めてIllustratorを使う人がCCのトライアル期間7日間で現状のIllustratorの深さを理解するのはかなり難しいと思います。ソフトの金額的にもトライアル期間は半年くらいあってもいいと思います。Macの24000円のLogic Proでさえ3か月の試用期間があります。金額なりの試用期間を設定してもらいたいものです。
そこで古いバージョンを試す意味が出てきます。古いバージョンだからと言ってその機能が使い物にならないというわけではありません。Illustratorは初期のバージョンから9.0まで仕事で使っていました。イラストを描いていたなら嬉しいのですが、製品の名盤や操作パネルの文字を並べる仕事が主体で、今考えるともったいない使い方です。
これほどのバージョンアップがありながら、Illustratorの基本操作は全く変わることがありませんでした。その頃のバージョンと現在所有しているCS6を比べても、基本操作は変わっていません。(雰囲気はだいぶ変わりましたが・・・)
ですが、初期のバージョンと現行バージョンでは機能数や表現の多彩さは比較になりません。初期のシンプルなIllustratorなら数時間も操作すればソフトの概念がおおよそ把握できました。ですが、現在のバージョンはとてもそんなレベルではありません。
CS2で使い慣れたら、現行バージョンでトライアルし、そして業務ツールとして活用できそうならサブスクを申し込めばよいと思います。
Adobeが暗にそこを狙って古いバージョンを「誰でも自由に使える形で」公開したのなら、やはり相当なワルだと思います。