マンガ(コミック)の面白さを生み出す6つの要素

イラストの仕事

マンガって本当に面白いですよね。

読み手にとって至高の娯楽であるマンガも、マンガを描く側からすると「どうすれば面白い作品が描けるか?」は悩ましい問題のひとつです。

マンガには、その魅力を引き出し、より大きな感動を生み出す数多くの要素があります。そんなマンガの面白さを作り出す要素を6つにまとめてみました。

マンガの面白さを形成する6つの要素

この2年ほどイラストの制作を続けてきました。イラスト制作はそれはそれでとても楽しいのですが、一発物の依頼仕事が多く、成果が積み上げられている実感がなかなか持てません。

そこで、お絵描きパーソンが主体的に進められ、コンテンツとして残せるもののひとつとして、マンガの制作を始めました。

気軽に始めてしまったものの、マンガは思ったほど簡単ではありませんでした。ですが、自分のキャラがストーリーの中で活き活きと動き出すマンガの魅力には勝てません。少しでも上手く、少しでも面白く描きたいと常に考えるようになってしまいました。

マンガ制作と奮闘しつつも、マンガの何が面白いのだろうという疑問がふと湧きました。そして、プロの作品や教本などを見ているうち、マンガの面白さを形作るいくつかのポイントが見えてきました。

マンガの面白さを生み出す重要な要素を整理したところ、次の6つにまとめることができました。

  1. キャラの表情、変化
  2. 漫符
  3. 吹き出し
  4. 描き文字
  5. コマ割り

では、それぞれを見ていきましょう。

キャラの表情、変化

一般にマンガのキャラの表情はかなり大げさに表現されます。読み手はその表情からキャラの喜怒哀楽を感じ取り、容易に感情移入できます。キャラの表情を見るだけで楽しいと思いませんか?

表情の振り幅はとても広く、時には、表情とともにキャラそのものが変化することさえあります。例えば通常のバランスで描かれていたキャラが、突如二頭身、三頭身のミニサイズのキャラに変化します。

つまり、通常サイズだと激し過ぎて違和感のある大げさな表情の変化も、ミニサイズになれば違和感がなくなるわけです。

キャラの多様な表情の表現は、マンガの「面白さ」の中心的要素だと思います。

漫符

漫符はキャラの感情を読み手に伝えるマンガ特有の記号です。

漫符については詳しい説明は不要ですね。この記号の意味を知らないとマンガを読んでも理解できませんから。

代表的な漫符には、次のようなものがあります。

  • 怒りを表す「十字記号」
  • ハッとした気づきを表す「W記号」
  • 震え
  • あせりを表す「汗」

また、背景に用いられる効果線も漫符と同等の役割をしています。

表情に加えて、こうした記号を用いることで、キャラの感情の強さや複雑な思いなどが表現できるわけです。

線の表情や個性は、それぞれのマンガの雰囲気を大きく左右し、読み手にそのマンガのジャンルさえ意識させます。

しかし、実際のところ、マンガを読むときにはそれほど線を気にすることはないと思います。線の持つ表情がキャラの個性や物語の内容と一致していれば違和感を覚えることはあまりないのです。

マーカーや筆、Gペン、丸ペンなど、ツールによって線の表情は大きく変化します。

ギャグマンガであれば、ちょっととぼけたようなミリペンやサインペン風の線で描かれたり、劇画だったら、荒々しいGペン風のタッチで描かれたりします。繊細な感情表現が多い少女漫画には繊細な丸ペン風の線が多いでしょうか。

こうした線の使い分けは、読み手にとってはもはや約束事として当たり前のことだと思います。それだけに、描き手は慎重に線を使い分ける必要があります。

吹き出し

「吹き出し」はキャラのセリフを表示する風船型の図形です。

キャラの感情に合わせて吹き出しの形状は変化します。通常の会話の場合は楕円や雲型ですが、怒りや驚き、叫び声などを表現する場合は、星形の吹き出しが使われたりします。

この際、文字サイズやフォントなども同時に変化します。

また、どのキャラが話しているかを示すシッポ(ツノとも言われます)も、実際に発している言葉では連続線、心の声では断線状に使い分けられます。

「吹き出し」もまた、キャラの感情を表現するマンガならではの重要な要素のひとつと言えます。

描き文字

描き文字は、吹き出しの外に書かれる手描きの文字です。

描き文字もまたマンガ特有の表現のひとつです。一般に「オノマトペ」と呼ばれる、擬音語、擬態語の多くは描き文字で表現されます。

擬音語と擬態語の例を示します。

擬音語例

  • ドドドドド・・・!(大きな足音で走る様子)
  • チュドーン!(爆発音)
  • シーン(静けさを表す”音”)

擬態語

  • ジワッ(涙がにじむ様子、一気に悲しみの感情が起きた場合)
  • ガーン(ショック)
  • ぱあっ(気持ちが一気に明るくなった様子)

キャラの態度を表す場合に、「フンゾリカエリ」とか「イタケダカ」のような言葉そのものが用いられることもしばしばあります。そのまんまなので意味もわかりやすく、オリジナル表現が誰にでも作れそうです。

また、メインのしゃべりは吹き出しの中にフォントで置かれますが、相手に聞こえないような小声やつぶやきなどのサブ的なしゃべりは、小さめの手書き文字、あるいは手書き風文字が使われ、吹き出しの中や外に置かれます。

本来の描き文字の使い方とは少し異なり、実際に発音している言葉であり、「吹き出し」と「描き文字」の中間的表現と言えるものかも知れません。

コマ割り

描画エリアをシーンごとに細かく仕切り、分割するのがコマ割りです。

読み手は、コマ割りからストーリーの流れ(時間軸)を視覚的に認識します。

文字が縦書きの場合、通常読み手は、右から左、上から下へと視線を移動させます。この流れが自然であれば、読み手は特に違和感なくスムーズに読み進めることができます。

この自然の摂理(?)を上手く利用して、複雑で多様な表現が生み出されています。

例えば、複数の背景を描いたコマにまたがってキャラを配置すれば、背景に描かれたそれぞれの場所をキャラが順に移動していると読み手はイメージします。

コマ割りもまたマンガ特有の表現方法であり、ストーリーの流れを生かすも殺すもコマ割り次第。このコマ割りもまた面白さに関わる重要な要素のひとつです。

まとめ

マンガに興味のある人であれば、これらはマンガの基礎的なテクニックだということがわかります。

実は私、マンガの面白さは何てったってストーリーだろう、と思っていました。

ですが、もし同じ作品を小説とマンガの両方で読めるなら、絶対にマンガを先に手にとることでしょう。マンガの方がわかりやすく、面白いと考えるからです。

その「わかりやすさ」や「面白さ」は、マンガの基礎的テクニックである上記の要素を効果的に使うことで引き出すことができていると思うのです。

逆に、どんなに素晴らしいストーリーをマンガにしたところで、これらの要素をないがしろにすれば、マンガらしさは失われ、ストーリーのよさは半減してしまうかも知れません。

こうした基本的なテクニックをきちんと押さえて、より魅力的な作品を描いてみたいものです。

参考書籍

  • NHK人間大学「マンガはなぜ面白いのかーその表現と文法」夏目房之介
  • クリップスタジオペイント マンガ描画テクニック
  • クリップスタジオペイントでマンガを描く 少年・少女&縦読みマンガを完全解説!
  • デジタルコミック基礎講座 メイキングで学ぶデジタル時代のマンガ制作術
  • 学園マンガの描き方 入門編

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