5本のギターを立てかけられる木製スタンドの自作に挑戦してみました。
設計はネット記事を参照
設計に当たり、複数のネット記事を参照しました。
スチール製の安価なものや、中古品を探してみようとも考えていましたが、ネット記事を拝見する限り、それほど難しいものではないと感じました。早速、近所のホームセンターにて材料を購入、お店のワークショップで加工してもらい、自宅で組み上げました。
今回制作したスタンドの「改善版」寸法図です。(寸法)は、おおよその寸法です。
「改善版」寸法図は、実際に作った寸法を、こうすればよりよくなる値に変更したものです。
基本材料は、1X4材(89㎜幅、19㎜厚)が3本です。
すべての切断作業はホームセンターのワークショップに依頼しました。
設計コンセプト
コンセプトと言うほど大層なものではありませんが、どのようなギターをどのように立てかけるかを最初に決めました。
- エレキギター、アコースティックギター、エレキベースが立てかけられる
- 楽器は斜めに倒し、楽器の下部(2点)とネック(1点)を支えることで安定させる
- 5本用
- 1X4材(89㎜幅、19㎜厚)を使用し、カットは店に依頼。できるだけ手をかけない
このように決めたものの、すんなりと寸法が出てくるはずもなく、ネット記事を参照しつつ、現物合わせで寸法を調整しました。
スタンド幅とスペース間隔
スタンド幅は約900です。(単位はミリ、以下同じ)
ネット記事では、多くの場合、ギターを支えるポールとポールのスキマが約150程度あればよいとありました。実際に作成してみたところ、広すぎず、狭すぎず、エレキでもアコースティックでも余裕をもって立てかけられます。
ただ、作ってからわかったことですが、今回の設計では、スタンド向かって右端のスペースには、アコースティックギターが置けません。
エレキであれば、まあ何とか置けます。傾きが浅いと、ネック付け根の固定プレート部分が支柱に当たるため、ぶつからない角度にする必要があります。
アコースティックの場合は、以下の写真のようにボディが確実に支柱に当たってしまいます。この状態を回避するには、全体の幅を100ほど広げ、ネック固定用のポールか板をもう一つつける必要があります。また、アコギを右から2本連続で並べた場合は、ぶつかってしまいます。
そこで、今回は、右端をエレキ専用スペースにしました。ご紹介した寸法図は、右端がエレキ専用スペースのままですので、ご注意ください。
奥行き
スタンドの奥行寸法には2種類あります。
まず、ギターのお尻が乗る部分の寸法です。この部分は、2枚の板を平行に立て、内側の間隔を230としました。この寸法もネット記事を参考にしています。
また、スタンド全体を支える左右の脚の部分は、実際に作ったものは300です。板の寸法から無駄なく切り取れるサイズということで300としましたが、できれば400あった方がよいようです。「改善版」寸法図については、400としています。
壁面を背にスタンドを設置した場合、300では、立てかけたギターのベッド部分が壁にあたってしまいます。この状態を回避するには、スタンドを壁から100ほど離せばよいのですが、最初から脚の長さを400にしておけばいいわけです。
脚幅300で作った今回のスタンドを、壁から100ほど離して置けば、立てかけたエレキ、アコースティック、ベースのヘッド部分は壁に当たりません。
どのくらいの角度で傾けるか
ネット記事で不明確だったのが、楽器を立てかけた際、どの向きにどの程度傾けるかについてです。
この点については、現物合わせで寸法を決めました。
まず、楽器の前後方向の傾きですが、これはネックの裏側が仕切り棒(実際に作ったものは仕切り板)に寄りかかる形になるため、特に問題にはなりません。
問題なのは楽器の左右の傾きについてです。楽器を左右に傾けるということは、楽器のお尻がスタンドのやや手前側に、ネック部分は奥側に傾くことになります。
これは寸法図を見ていただければわかるとおりで、スタンドを側面から見たとき、左右非対称になります。かなり微妙な寸法ですが、実際に楽器を載せて調整しながら求めた寸法です。
その他の要素
仕切り棒(板)
今回は、材料が余ったこともあり、楽器間の仕切りは1X4材をカットして作りました。ただ、できればΦ20以上の円柱を使った方が見栄え的にも、機能的にもよりよいのではないかと思います。
特にギリギリセーフだったのが、ボディが大き目のアコギです。
たまたまぶつからず事なきを得たものの、決して余裕がある設計とは言えません。
コルク
25㎝X35㎝サイズ、2㎜厚の粘着剤なしのコルクシートをキャンドゥで2枚購入し、楽器が接触する面に貼り付けました。
2㎜厚でいいのかとも思いますが、よほど乱暴に置かない限り問題ないだろうという認識です。
エレキは重たいので、うっかり強めに置いてしまいがちです。しばらく使ってみて、必要であればさらに厚みを増そうと考えています。(コルク材は結構余っています)
まとめ
板材、コルク以外にもいくつかの材料や工具が必要になります。
仕切り棒を丸棒にする場合は、丸棒を用意する必要があります。他には、
- 固定ネジやダボ(材料を固定する材料)
- 木工用接着剤(ダボ固定、コルクシートの接着)
- ドリル、ドライバー(ダボ用穴あけ加工、ネジ止め)
- のこぎり(お店でカットできないものがあれば)
- 重しや大型のクリップ(接着中のコルクシートを固定するため)
塗装まで行いたい場合は、塗料やハケが必要になります。今回は塗装なしとしました。
金額的には全部合わせても1500~2000円程度であり、実際の作業時間もさほどのことはありません。むしろ接着を待つ時間(じっと待っている必要はありませんが)の方がはるかに長いでしょう。
面倒に感じないこと、そして作業環境があるのであれば、結構楽しんで作ることのできる品物ではないかと思います。
ただ、高級なギターの場合は、市販品のちょっといいやつの方が安心かも知れません。