クリップスタジオペイント(以下クリスタ)にてシルキーな表現ができるグラデーションマップを試作しましたのでご紹介します。
作画例
作画サンプルです。
キャラのブラとスカート、パンツ、長くつにすべて同じ今回作成したグラデーションマップを使用しています。
![](https://lovechara.work/wp-content/uploads/2023/03/teruteru-girl-723x1024.jpg)
グラデーションマップ
グラデーションマップの色配置は以下のようにしました。
実際に白いツイード調の生地を観察しながらそれっぽい色を配置しています。
![](https://lovechara.work/wp-content/uploads/2023/03/スクリーンショット-2023-03-22-11.14.17.png)
使い方
使い方例です。
ブラ、スカート、パンツ、クツの下塗り+影をひとつのフォルダに入れ、トーンカーブ、明るさコントラスト、グラデーションマップの3つのレイヤーでクリッピングしています。
![](https://lovechara.work/wp-content/uploads/2023/03/スクリーンショット-2023-03-22-11.14.57.png)
クリッピングなしの絵です。白生地ということもあり、あっさりした影を施しています。このトーンをコントラスト調整するだけでも影としてはOKかも知れません。
![](https://lovechara.work/wp-content/uploads/2023/03/スクリーンショット-2023-03-22-11.16.49.png)
グラデーションマップ用にトーン調整した状態です。
![](https://lovechara.work/wp-content/uploads/2023/03/スクリーンショット-2023-03-22-11.17.39.png)
グラデーションマップを通した状態がこちらです。手描きの陰影よりも複雑な階調表現に変化していることがわかると思います。
![](https://lovechara.work/wp-content/uploads/2023/03/スクリーンショット-2023-03-22-11.17.53.png)
基本的には、金属表現などに用いられるグラデーションマップと発想は同じです。ただ、この処理を施すことでトーンだけではない変化が生じます。
トーンの変化と同時に手描き感のタッチが抑えられ、水彩画の水彩境界やぼかしなどを使ったような独特のタッチに変換されていることがわかります。
改善点
今回使用したものは、白い生地用に作ったマップです。そのため、ベースカラーの上に薄い影を施したような表現で、ハイライトらしいハイライトがありません。
同じツイード調の生地であっても、色物の場合はハイライトが特徴的です。できれば、色物にも使えるようにマップの配色を変更・改良したいと思います。
まとめ
プロの作品を見て、このような影を一体どうやって塗ったのだろうと疑問に思ったことが何度もあります。
一見すると水彩表現に見えるのですが、デジタルツールの水彩ツールを使っただけでは同様の表現を実現するのはかなり難しいと感じます。それがグラデーションマップを用いることで比較的容易に実現できることがわかりました。
プロの作品の場合、グラデーションマップは一つだけでなく複数を組み合わせて用いられている可能性があります。そうした使い方をすることで、手描きでは実現が難しい複雑な陰影表現ができるのではないかと想像しています。今後機会があれば、そうした表現も是非試してみたいと思っています。
※このグラデーションマップは、完成度が今一つのため配布いたしません。どうしても試してみたい場合は、上図の色配置を参考にマニュアルで色を置いてみてください。