2022年8月9日午前10時時点のココナラのイラスト・漫画部門ランキングトップ50を確認し、今稼げるイラストとはどんなイラストかを調べてみました。
今稼げるイラストとは(ココナラ2022年8月ランキングより)
- ココナラのイラスト・漫画部門ではLive2D関連の需要が多い
- Live2D用キャラデザインは旬なキャラがほとんど。またイラストテクニックはアニメ塗りで対処可能
- Live2Dのモデリングやロゴ、ミニキャラなどをセット販売することで単価が上げられる
- TOP50の中での件数は少ないものの3Dモデリングも単価が維持できている
2022年8月9日午前10時時点のココナラのイラスト・漫画部門ランキング
2022年8月9日午前10時時点のココナラ、イラスト・漫画部門ランキングトップ50を集計し、その内訳を見てみました。
件数ベース
結果として、Live 2D(キャラデザイン~Live2D用モデリングまで)の件数が半数近くを占めていることがわかりました。次いで一般的なイラストの件数が全体の3分の1ほどを占めます。
旬なジャンルであるLive2Dの割合が大きいのは当然として、意外にイラストが頑張っていることがわかりました。

表示価格単価ベース
次に、各ジャンルの平均表示価格の比較です。Live2Dや3D(モデリング)の単価と一般的なイラストや漫画の単価に大きな差があることがわかります。

総額ベース
上位50件の表示価格の総額でみると、市場のお金がどこに流れているかがさらによくわかります。ほとんどと言っていいくらいの85%もの資金がLive2Dに流れていることがわかります。

Live 2D
Live 2Dは比較的新しいジャンルです。出た当初は一体誰が何のために使うものなのだろうと思っていましたが、瞬く間に市場に受け入れられました。基本的には、動くバーチャルキャラであり、動的なアバターになります。
多くの人が使うようになったきっかけは、動画サイトや配信サイト等のネットにおける個人メディアの成長です。配信時やコンテンツ制作時にWEBカメラ等で配信者の表情を読み、それをアバターに反映させることでライブアクションを実現します。
使用するサイトとして大きいのはYouTubeかも知れませんが、配信サイトやコンテンツ単体を含めるとかなり幅広く使われているようです。
Live 2Dと一般のイラストとの違い
かなりアバウトな作業分類ですが、作画やモデリングといった作業面から見たLive 2D(セット)と一般イラストには次のような違いがあります。

一般イラストの場合、塗りや背景、効果など、凝った表現が必要になる場合があるため、Live2D用キャラデザイン(一般にアニメ塗り)=一般イラストのキャラデザインというわけではありません。
キャラデザインは、クライアントの要求を受け、新たなキャラを生み出す作業です。イラストレーターとして本領が発揮できる部分です。
パーツ分けからモデリングの部分も意外と時間がかかるようです。いわゆる作業なのですが、スムーズで自然にアニメートさせるには、ある程度の経験と慣れ、試行錯誤が必要と思われます。

トレンド
TOP50を分類したイラスト・漫画部門内の個別ジャンルについて簡単な分析をしてみます。
Live 2D
Live 2Dは今のところ安定した需要があるように思います。今後新たなクリエーターが参入してくることと需要に落ち着きが出てくることでゆっくりと(あるいは一気に)価格低下が進んでいくと思います。
イラスト
イラストの需要は一定数あるようです。ですが、価格自体は低レベルに落ち着いてしまっているように見えます。
トップ50に入っているクリエーター(いわゆる絵師)の方々は、その内容を見る限り個性を売りにして生き残っている人たちに見えます。それでも一仕事で数千円から1万円程度です。
似顔絵・コマ漫画
似顔絵や漫画などにも一定の需要があることがわかりました。しかし、これらも一件当たりの単価はイラスト同様低レベルな状態です。
マンガ動画用のマンガについては、しっかりとコマ単価を設定している方がいらっしゃいました。いずれにしてもおおよその単価は市場価格で決まってしまい、クリエーターがもっと欲しいと思っても金額を2倍3倍に設定するのは容易ではありません。それなりに需要はあるものの供給過多な状態なのかも知れません。

3Dモデルと今後の予測
3Dモデリングは比較的堅調です。モデリングに時間がかかりますので、それなりの金額になるのは当然ですが、今のところ需要は2Dほど大きいようには見えません。
3Dモデルのバーチャルキャラも3Dのモーションキャプチャーもすでに実現されています。今後は2Dに加えて3Dのバーチャルモデルも伸びる可能性があります。
3Dバーチャルモデルに動きを投影するには、全身の各関節部分にポインターのようなものを付け、センサーで位置を読み込むという結構面倒なシステムが必要になります。ダンスなどの全身の動きを見せたい人にとっては意義のあるしかけかも知れませんが、単にしゃべりを配信したい人にとっては少々面倒なものに思えます。
例えば顔の表情はもちろん頭の向きや手の振りなどの上半身の動きをカメラだけでバーチャルキャラに投影できるシステムができれば一気に3D化する可能性があります。
また、3D化した場合、カメラアングルやズームが自由に設定できます。ライブ中にそうした操作が手軽に行えるようになれば、2Dとは異なるダイナミックな表現も可能になります。例えばマイクに向かって歌うような、全身のアクションは必要ないものの、多少の演出が欲しい場合などに有用です。

まとめ
現時点のココナラの「イラスト・漫画」部門トップ50の範囲では、Live2Dの需要が大きいことがわかりました。また、平均表示価格や総額を比べてみると人々の資金の多くはこの分野に流れ込んでいます。
ここでは、あくまでも表示価格での比較になり、実際にクリエーターが得た金額がこのとおりかは不明です。
Live2Dイラスト・キャラデザイン
Live 2D用のイラスト表現のほとんどはアニメ塗りやギャルゲ、ブラシ塗りです。スーパーテクニックは不要で、ごくごく一般的なテクニックでの描画です。キャラデザインについても、ユニークであることよりも旬(流行りのスタイル)なデザインがほとんどです。
ココナラに限った話ではありませんが、そのコーナーで売り上げをあげるには、そのコーナーで一番売れている人を真似ることが近道ですね。そのためには自分なりの表現やオリジナリティなどのこだわりを一旦捨てた方がいいかも知れません。同じようにスーパーイラストレーターを目指すという願望も一旦忘れ、Live 2Dに特化したイラスト描画に徹した方がいいように思います。
Live2Dモデリング
モデリングについては、私自身3Dは多少の経験があるものの2Dの経験がないため、多くは語れません。今後自分なりにモデリングを試してみたいと思います。
動作の仕組みは、描いたイラストのパーツを、クリスタのメッシュ変形に似たしくみで変形したり、移動したりすることでアニメートさせているようです。
クリップスタジオペイントでイラストを描いている人であればとっつきやすいかも知れませんね。
その他の作業
付帯作業として、ロゴの作成やミニキャラの描画をセットする場合があります。
イラストを描いている人であれば、比較的無理なく対処できると思いますが、ロゴもミニキャラもある程度の慣れが必要なので、経験値を上げておいた方がいいかも知れません。
まとめのまとめ
まとめのまとめです。
- ココナラのイラスト・漫画部門で売り上げをあげるには、需要の多いLive2D関連にフォーカス
- Live2D用キャラデザインは旬なキャラにする。イラストテクニックはアニメ塗りで対処可能。自分なりのキャラやテクニックへの強いこだわりは一旦忘れ、需要の多い表現に徹する
- Live2Dのモデリングやロゴ、ミニキャラなどをセット販売することで単価を上げる。ただし、こうした付帯作業や作画にはある程度の慣れが必要
- 一枚絵、似顔絵などの一般的なイラストの需要はあるものの単価は最低ライン。クライアントの要求でイラストを描くのであれば、可能なら適正単価が維持できている旬なジャンルにフォーカスしたい
記事を書くに当たり、ココナラサイトの他、以下関連書籍を参考にしました。
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