写真を参照した衣装の影塗りプロセス例

black_headband-eyes キャライラスト・メイキング
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現在撮影中の回転ポーズ集の中の「パーカーのポケットに手を入れたポーズ」写真を参照した衣装の影に着目した作画例です。

今までも衣装の影についての作画は何度か行っていますが、試行錯誤が多く、プロセスや考え方が不安定でその内容をまとめる段階には達していませんでした。

今回は、そうした今まで不安定だった部分をひとつひとつ明確にしながら進めました。

参照写真

参照写真は、こちらの「pk02-0-360」というものです。

pk02-0-360
pk02-0-360

仕上がりイメージ

仕上がりイメージは、こちらになります。参照した部分は、キャラの着ているパーカーです。

プロセス

パーカー部分についての作画プロセスを順に示します。

外形線、シワの線画

線画の段階で写真を拡大、縮小、および幅の変更等を行い、キャラ(3Dモデル)に合わせました。そして、写真の形状をほぼ完全トレースしています。

写真の陰影をそのまま反映してみる

写真の陰影をそのままイラストに反映(下塗りの上に、写真の影だけを置いたもの)させると、以下のようなイメージになります。

見るからに写真です。色の変更なども行ってみましたが、そのままでは肌や他の衣装になじんでくれません。

影を筆で描く

写真の状態をじっと見ながら作戦を練りました。

シワと影の関係は非常に複雑です。オリジナルのシワを描く場合は、シワのでき方と凹凸の関係を考慮する必要があると思いますが、今回は写真がありますので、写真の影をそのまま使いました。

写真の影、特に「はっきりした影」の部分に重ねて筆を入れました。

ここで使った筆は、水彩の「水多め」です。「肌塗り」で使った「塗り&なじませ」は、筆圧で濃淡が変化するものの、筆の幅は変わりません。衣類の影のような習字の筆で描いたような形状にするには、入り抜きを効かせたツールの方が使いやすいと思います。

バックに置いた写真を非表示にして、筆で描いた状態を見るとこんな感じです。色をもう少し濃い目にすれば、そのままアニメ塗に使えそうです。

シワ影以外の面に対する陰影

一旦シワ影は忘れて、衣装全体に大きな陰影を施してみることにしました。最初に、エアブラシで、左上を明るく、右下を暗くしてみました。これはこれで面白いと感じられます。

次に、大きな筆サイズで、ざっくりと影を入れてみました。この場合は、「塗り&なじませ」が使いやすいと思います。こちらの表現の方がしっくりきました。この影を暫定的に「メン影」と呼びます。

シワ影とメン影のなじませ

このままでは、シワ影とメン影が別物のように見えます。現実には、影は影で同じものです。そこで、シワ影にもう少し手を入れてメン影となじませたいと思います。

シワの伸びている方向にぼかしを入れたり、小さなシワを合体させて大き目にしました。ですが、このままではかえってシワ影が強調されてしまった感じです。

シワ影の調整

シワ影を少し弱めてメン影となじませたいと思います。

シワ影を弱めるには、手っ取り早くは、トーンを落とせばいいのですが、トーンを落とすほどに、シワのエッジも弱くなります。エッジをできるだけそのままにしてシワ影をメンになじませるには、シワ影の中身を削り取るという方法があります。

透明色のエアブラシで、エッジを残しつつ、シワ影の中身を削り取りました。削る代わりに弱いトーンで塗りを入れたり、筆で削ったりすることで違った印象やより複雑で見応えのある効果が出せる可能性もあります。

影塗りの仕上げ

最終的には、「シワ影のトーン調整」+「シワ影とメン影の色調整」を行い、影どうしをさらになじませました。また、線も影の一部という発想で、線画に色トレスを行い、不要な線を消し、必要な線を強調するなどの調整を行いました。

まとめ

プロの作品には、わけがわからないほど複雑に見える影塗りが見られます。しかしながら、大きくはシワ影+メン影の二層構造と考えて見てみるとその手法やプロセスがつかみやすいかも知れません。(イラストレーター、作品によりけりですが)

大きな影+細かい影という基本構成は、肌や髪も同じです。それぞれの表現に合わせて使うツールや手法を変えることでより効果的な表現ができると感じました。

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