オビツドールヘッドのメイク用にケンコーのヘッドルーペKHD-50Nという機種を購入しました。
倍率が1.2倍から3.5倍で、両眼で見ることのできるメガネタイプのルーペです。仕様上は1.2~3.5倍とありますが、実際には2枚のレンズを組み合わせてさらに倍率を上げることが可能で、仕様以上の能力があることがわかりました。
仕様には明確に記載されていないこの製品の特長について記事にしてみました。
仕様・特徴
基本的な仕様は、以下となります。
倍率 | 1.2~3.5倍 | レンズ材質 | アクリル樹脂 |
---|---|---|---|
サイズ | W195×D235×H60mm | 重量 | 185g |
特徴としては、以下のような項目があげられます。
- 両眼タイプ
- レンズ交換式
- レンズは1枚もしくは2枚を同時に装着可能
- LEDで対象物をライトアップ可能
- ヘッドバンド式で、ユーザーの頭囲に合わせて調整可能
- 不使用時は上に跳ね上げられる
さらなる詳細については、ケンコートキナのホームページでご確認ください。
仕様に記載されていない機能
レンズが2枚組み合わせられることとその倍率については、外箱にも、WEBの製品ページにも記載されていません。
4枚のレンズは、ご覧のようなプラの専用BOXに収められ、使用時に取り出して使います。レンズの両端に指でつまむ三角のスペースがあり、レンズ表面を指を触れずにレンズ交換ができるように工夫されています。2か所の突起をヘッドバンド側の装着部に差込んで取り付けます。

この突起部分をはめ込むための装着部が、ヘッドバンド側に二組分ついています。この二組の装着部に関する説明はほとんど記載がなく、何故二組存在するのかの意味が当初わかりませんでした。

これについては、マニュアルの最後の最後の方に申し訳程度に説明があります。
2枚のレンズを組み合わせて使えること、そして組み合わせた場合は、それぞれのレンズの倍率を掛け算した値が拡大率になるとの説明があります。

レンズ1枚の場合と2枚の場合を組み合わせて使った場合、この説明に従って計算すると以下のような倍率になります。
2か所のレンズ取り付け部を「レンズA」「レンズB」としました。実際に装着して確認したところ、前後のレンズを入れ替えても見え方に大きな変化は感じられず、レンズAとBはどちらがどちらでも構いません。
レンズA | レンズB | 倍率 |
1.2倍 | 1.2倍 | |
1.8倍 | 1.8倍 | |
1.2倍 | 1.8倍 | 2.16倍 |
2.5倍 | 2.5倍 | |
2.5倍 | 1.2倍 | 3倍 |
3.5倍 | 3.5倍 | |
3.5倍 | 1.2倍 | 4.2倍 |
2.5倍 | 1.8倍 | 4.5倍 |
3.5倍 | 1.8倍 | 6.3倍 |
3.5倍 | 2.5倍 | 8.75倍 |
レンズから対象物までの距離
作業用として考えた場合、レンズから対象物までの距離が重要になります。狭すぎる場合、手やツールの動作範囲が狭くなってしまいますので、作業が困難になる場合があります。
レンズから対象物までの距離は、マニュアルに記載されている焦点距離となります。
倍率 | 焦点距離 |
1.2 | 520~620mm |
1.8 | 230~320mm |
2.5 | 150~250mm |
3.5 | 80~120mm |
実際にレンズを装着し、対象物を見てみると、3.5倍レンズ1枚、倍率3.5の場合は、レンズ表面から対象物まで指4本(約10㎝)ほどで最も見えやすい距離になり、マニュアルに記載された焦点距離に相当することがわかりました。
最高倍率である3.5倍と2.5倍レンズ2枚を組み合わせた8.75倍の場合は、最も見やすいレンズから対象物までの距離は指2本分ほどになります。
目で見て確認するだけの場合と作業を行う場合とでは、レンズと対象物間に必要なスペースが異なります。焦点距離は、拡大率との兼ね合いになりますので、実際にレンズの組み合わせを変えて確かめた方がいいでしょう。
ちなみに、1/6(27㎝)ドールヘッドのメイクの場合、倍率は3.5倍程度は欲しいところです。この場合は、レンズと対象物間の距離は10㎝ほどになりますが、このぐらいのスペースがあれば筆やペンをさほど問題なく使うことができます。
まとめ
ドールヘッドのメイク用に用意したケンコーのヘッドルーペKHD-50Nですが、仕様に記載されている以上の能力があることがわかりました。
製品自体は、恐らくご近所のホームセンターなどで購入できると思います。価格は税別で2580円でした。2021年10月現在、通販価格の方がやや高いので、ご近所の取扱店んでの購入をお勧めします。
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