シャープなシワ表現を試みる(2)---衣装の形状やシワの表現にミニチュアは参考になるのか?

キャライラスト・メイキング

ラフスケッチからだいぶ時間が経ってしまいましたが、この間に検討していたのが、和装ドールによる着物の形状、シワの確認です。

和装ドールによるポーズ写真については、専用の素材ページを設けました。

今回の記事のテーマは、ミニチュア写真がイラスト制作にとって役立つかどうかの検証です。

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参考写真

前回の記事で述べたとおり、ハカマの形状やシワについては、ぐるぐるポーズカタログを参照しています。今回は着物の形状やシワに関して、自分で撮影したiai12-30-80という写真を参照しました。

使用した写真の番号は「iai12」。その後に続く「30」は俯瞰30度、「80」は回転角が80度という意味です。

ラフスケッチの部分変更

では、これらの写真を使って作業を進めていきます。まずは、着物部分のラフスケッチを変更していきます。変更したい部分は、肩から肘にかけての袖に当たる部分の形状とシワです。

作画のすべての作業はクリップスタジオペイントにて行いました。

少々わかりにくいかも知れませんが、おおよそ同位置、同サイズになるように「肩から肘まで」が重なるよう調整しました。

描きなおす部分の線をすべて消し去ります。(腕やハカマ、刀の鞘は消しません)

肩から、左腕の下から見える袖までの線を新たに描きこみました。

変更した線画です。写真を見て初めて、そでが刀の鞘の上に重なることに気づきました。

ハカマの下塗りと影

ハカマに下塗りを施し、大雑把に影を入れてみました。(ついでに着物にも下塗りしています)

ハカマの影(第一回目)

元写真を見ずに、スケッチの影を示す斜線を頼りに「薄い影」と「濃い影」の2層の影を描き足していきました。

確かにこれだけでそれっぽくは見えます。恐らく水彩画ならこれでOKかも知れません。

ところが、線画がない状態だと意味不明です。この時点で違和感を覚えます。

外形線のない状態で、いろいろ調整してみましたが、結局上手くいかず、ドツボにはまってしまいました。

結局、全面的に描きなおすことにしました。

ハカマの影(第二回目)・・・描き直し

最初に描いた影のレイヤーをすべて非表示にし、元写真を見ながら新たに描き直しました。

使ったツールは、基本的に「塗り&なじませ」ブラシです。このブラシは、筆圧の強弱で色が変化させられ、筆圧が低いと透明色(要するにぼかし表現)に変化します。ただし全体的にはボケた印象になりがちです。

写真に忠実に描いたというよりは、写真からハカマの形状を認識し、形状をきちんと伝えるために必要な影を描きこんだ、という認識です。

ハカマの「濃い影」の追加

ハカマの部分部分の奥行き感を深めるために「濃い影」を追加しました。

「濃い影」は、落ち影など本当に必要なところにほんの少し入れるだけでいいと感じました。濃い影をやたらと入れてしまうと「薄い影」と見分けがつかなくなりますし、薄い影の効果が半減してしまいます。

「濃い影」を入れてみて初めて、「薄い影」は、部分によっては、もっと薄くていいと感じました。もう少し描きこんでから改めて調整したいと思います。

ハカマの影の一括色変更

次にハカマの影部分について、一括で色変更を行ってみました。

ハカマの影は2つのレイヤーに分かれていますので、この2つのレイヤーを「影」フォルダに入れました。そして、その上に合成モード「オーバーレイ」で「全体色」レイヤーを置き、レイヤーマスクを施しました。

このレイヤーで、ハカマの左半分の明るくしたい部分にピンク、ハカマの右半分(遠い面)に濃いめのブルーを、500pxくらいの大き目サイズのエアブラシ(ソフト)で彩色しました。

当たり前ですが、影の色がスムーズに変化しているのがわかります。

線画の色トレスで用いる方法ですが、影の色を直接変化させるのではなく、この方法を用いればやり直しや変更・調整がやりやすくなります。

もし、下塗りの色もいっしょに変化させたければ、下塗りと影をひとつの「塗り」フォルダに入れ、そのフォルダに対して色変更を行えばよいことになります。

着物の影

ハカマの塗りプロセスの失敗経験から、着物の影塗りについては、以下のように進めました。

  1. 「素直に」元写真を参照する
  2. エッジがはっきりしたGペンを用いる
  3. ぼかしは、必要最小限

元写真を参照するのは言うまでもありませんね。ドールの写真を目いっぱい参照します。

ラフスケッチでは影を示唆する線も描き入れていたのですが、線画ではあえて影の線は省略しました影は塗りによる陰影だけで十分伝わるようにしたいという思いがあったからです。線はあくまでも補助的な要素と考えました。

影塗りにGペンを用いたのは白黒はっきりさせたいという意図で用いました。Gペンだとエッジが強すぎるのは確かで、調整によりエッジは多少ぼかした方がよいかも知れません。いずれにしても、最初に塗る基本の影はアニメ塗りと考えてもいいかも知れません。

要所要所にぼかしを入れ、曲面とエッジ部分を強調しました。また、緩やかな凹凸のある大きな面については、「塗り&なじませ」筆で色の濃さを調整しながら描きこみました。

このステージではこの状態にて一旦完了とし、次回からは他の部分を描き進めたいと思います。全体のバランスを見ながら、調整していきたいと思います。

まとめ

何度も繰り返し描いている素材ならともかく、見る機会も着る機会も少なく、描く機会も決して多くはない着物を描く場合は、参照するための実物や写真は必須ですね。

実際に描いてみて、実物ではなく、ミニチュアでも十分過ぎる程参考になることがわかりました。

自分が描きたい絵のアングルやキャラのポーズ、着こなしにピッタリな写真を探すのは結構大変なものです。ミニチュアを一体用意しておくだけで、作業はグッと楽になります。

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