着物・和服ポーズドールの着付け

27cmドール回転ポーズ
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着物・和服ポーズドール

このプロジェクトは、刀を構え、様々なポーズをとった女侍の衣装の形やシワを観察することが目的のひとつです。そして最終目的はイラスト制作です。

女侍にはドール素体を用い和装します。ただし、女物ではなく男物の着物と袴を着せた男装にすることにしました。その理由のひとつは、一般的な女袴では刀の位置が高すぎるためです。

今回用いた女子ドールは、27㎝サイズのドルフィードール素体で、着物と袴は1/6サイズ男子ドール用のものを別途用意しました。

1/6男子ドールサイズはものによっては30㎝ほどになります。そんな男子ドールに合わせたこの衣装、女子ドールにとっては、かなりゆったりサイズになりそうです。

着物・和服ポーズ着付け

着付けは、「ぐるぐるポーズカタログ【和服の男性】」の11ページにある「長じゅばん」「袴の着付け」を参照しました。

40~50年前、私はほぼ毎日のように道着と袴、白足袋、雪駄を着用していました。弓道部に所属していたのです。弓道は10年ほど続けていましたが、当時胴着や袴をどのように着用していたかほとんど覚えていません。

ただ、この書籍で紹介されているような面倒な着付けをした記憶はなく、当時は、もっと簡易的、実戦的な着かたをしていたように思います。

今回はトライアルということで、書籍を参考にしつつ、特に帯やヒモの縛り方などについては簡易的なもので済ませたいと思います。

胴巻き

一度試しに袴まではかせたところ、帯がどんどん上に上がり着物の着付けが大きくくずれてしまいました。実際の人体であれば、腰骨の上には肉があり、肉の柔らかさで帯が締まるのでしょうが、素体は硬いプラスチック製です。帯は、身体の一番細い部分である上へと向かってずれていきます。

そこで、一旦素体の上にガーゼを巻き、胴巻きにし、寸胴にしました。

長じゅばん

上着で隠れてしまうため、あえて着せる必要はないかも知れませんが、せっかくついてきたものなので、長じゅばんもきちんと着せます。女物であれば、そでがもっと上に切り込まれているようですが、この長じゅばんは袖部分がほとんど切れていません。

この切れ込みを「振り」というらしく、男物には「振り」はほとんどありません。女物は、この「振り」が大きく切り込まれて、袖がひらひらと振れるようになっています。

腰には腰ひもをつけるらしいのですが、ここでは調整しやすいように、素材どうしがくっついて固定できる伸びるタイプの包帯を巻きました。

こんな感じで、背中側で固定しています。

着物

次に着物を着せ帯を巻きました。帯にはゴムの入った伸縮タイプのバンドを用いています。

改めて着物のシワの状態を見てみると、やはり素材の厚みを感じてしまいます。かなり薄い生地だと思っていましたが、1/6サイズでは綿入りのように見えてしまいます。

また、素材の自重よりも素材の剛性が勝るため、自然なたるみがほとんどありません。ミニチュアの限界かも知れませんが、より柔らかな素材があれば、もう少し自然に見えるような気がします。

帯はこのように背中側で固定しています。

帯の加工

衣装のセットに帯は付属していません。帯にはゴムの入った布製のバンドを用いました。適当な長さに切ったバンドの両端に薄手のマジックテープを貼り、はがれないように縫い付けました。

袴は、前側から固定します。前側のヒモを一旦後ろに回して帯の上側で締め、前に戻します。

前に回したヒモをクロスさせ、もう一度後ろに回し、今度は帯の下側でしばります。

次に、後ろ側のヒモを前に回し、前でクロスしたヒモに絡めながらしばります。

撮影

ミニスタジオにて撮影した一枚です。

レビュー

今回、着付けからトライアル撮影までの一連の作業を行い、気づいたことや得られたことをまとめておきたいと思います。

衣装について

衣装については、以下のような問題点や改善の必要性が挙げられます。

  • 生地は薄手の木綿だが、白い生地はよく透ける。
  • 色が濃いものは透けにくい。
  • 半面、色が濃いとシワが見えにくくなり、シワの観察用としては今一つ。
  • 薄い生地ではあるが、ミニチュアサイズでは厚手の生地に見える。
  • 生地の剛性が自重よりも強く、形状もシワの付き方も不自然。
  • 形状とシワについては、自然に見えるような演出が必要。
  • 男子用着物は、やはりサイズ的に大きく、女子ドールの手先が隠れてしまう。
  • 袴の両サイドの開口部分が全く見えず、刀が差せない。
  • 衣装には帯がついておらず、別途用意する必要がある。
  • 袴の腰板には、板が入っておらず、ふにゃふにゃな状態。また、腰板を帯につける仕掛けもない。
  • 袴の丈は丁度よい長さ。
  • 基本的な姿勢では、衣装の品質の低さが丸見え。
  • 一般のドールファンが作る手製の衣装よりも品質的には低い。

今後、ドールにはある程度のアクションをさせてみようかと思っています。そうしたアクションシーンでは衣装の品質の低さは見えにくくなるかも知れません。

また、男女のサイズの差による不具合がいくつか発生しています。元々サイズの合わないものを無理やり着せているわけなので無理もありません。オリジナル衣装の検討が必要かも知れません。

ドールについて

ドールのプロポーションは、人のプロポーションをそのまま縮小したものではなく、かなりデフォルメされています。できれば、人のプロポーションに近くなるよう、ドール側を加工しつつ着付けようと考えています。

もし、オリジナル衣装を仕立てることになった場合、人用の型紙であれば入手しやすく、衣装が作りやすいことがその理由です。

ドールヘッドについて

当初は、素体のヘッドそのままでよいかと思っていましたが、やはり顔や髪があるのとないのとではリアリティが違います。

ヘアはショートにするなど、できるだけ衣装の形やシワを隠さないよう配慮しつつ、リアリティが高められないかを工夫したいところです。

総括

一度のトライアルで、上手くいくとは思ってはいなかったものの、前途多難であることがよくわかりました。折角購入した衣装ですが、これを使っての撮影は非常に難しく、カスタム品を用意する必要があるかも知れません。

時間はかかりますが、一歩一歩進めていきたいと思います。

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