イラストのための撮影ボックス(ek-sb003のご紹介)【取り扱い編】

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まえおき

イラスト用に撮影ボックスを用意しました。(2021年3月末購入品)

イラストを描くうえで写真は極めて重要な素材です。今現在は、著作権フリーサイトの素材が充実していることもあり、多くの高品質な写真素材が無料で使えます。

ですが、アングルや素材によっては欲しいものがなかなか見つからない場合も少なくありません。また、どうしてもオリジナルの素材を使いたい場合もあるでしょう。

もし素材を所有しているのであれば、私はためらわず撮影しトレースします。その方がより正確で、短時間で制作できるからです。

第1回目のこの記事では、イラスト制作のために用意した撮影ボックスの「取り扱い」における使用感についてまとめてみました。

撮影ボックス ek-sb003

今回購入した撮影ボックスは、e-kitというメーカーのsb-003という、長期間に渡り楽天のこのジャンルで販売1位をキープしている製品です。(購入は2021年3月末、2021年8月末に状況の再確認)

撮影ボックスに対する要件

撮影ボックスに対する要件について、取り扱いにおける要件と、撮影における要件に分けて考えたいと思います。繰り返しになりますが、この記事では前者の「取り扱いにおける要件」について見てみます。

あくまでもイラスト制作における視点での評価です。たとえば一般の商品撮影における評価とは、微妙に異なる部分があります。

取り扱いにおける要件

取り扱いにおいて重要視する点は以下の3点です。

  1. コンパクト性
  2. 収納性
  3. 組み立ての容易さと安全性

まず、撮影ボックスを使う最終目的はイラスト制作であり、撮影そのものではありません。

撮影にかける時間は最小限で行いたいと思います。またスペースも最小限で、必要な時にのみ設置できればよいと考えます。

もちろん、撮影の頻度や重要性に依ります。例えば、フォトバッシュ(写真をそのまま絵の素材として用いるイラスト技法)を多用するような方の場合は、フォトブースはほとんど常設状態で、使う写真のクオリティの高さも別物かも知れません。今回はあくまでも写真素材をイラストの参考や下絵として用いる場合を考えています。

上の3点に関する、この製品の自分なりの評価は以下のようになります。

  1. コンパクト性 :100点
  2. 収納性:100点
  3. 組み立ての容易さと安全性:80点

それでは、ひとつひとつを見ていきましょう。

コンパクト性

コンパクト性には、サイズがミニマムというのはもちろん、小さなスペース内で、様々な撮影方法に対処できる工夫が施されている点も評価対象にしたいと思います。

サイズ

まずはサイズです。

今回のボックスの基本サイズは40㎝角で、ボックスの壁が1枚のシートであるため、外形サイズはほぼ撮影エリアサイズになります。これ以上のコンパクトさはないでしょう。

照明

次に撮影をサポートするいくつかの機能について見てみます。

照明は、環境光に相当する70チップが埋め込まれたLEDアレイが上部前後に2本、トータル140チップが配置されています。写真は上部後ろ側のアレイです。

上部後ろ側のLEDアレイ

こちらは、上部前側のアレイで、シートの角度を調整することで、照明の方向を変えることができます。手前のコネクタは給電用USBです。

上部前側のLEDアレイ

撮影や被写体を邪魔することなく最小限の環境光を照らすことのできる機能が設けられています。

背景シート

背景シートとして、白、黒、緑、赤の四色が添付され、必要なカラーのシートを背面内側上部にあるスリット状のフックに引っかけて使います。シートのあるなしで、スペースサイズが大きく損なわれることはありません。

このシートを用いることで、背景の角の線が隠れ、影を滑らかにできるため、トレース作業がやりやすくなります。イラスト制作においても有用な機能のひとつです。

また、横からだけでなく、上部中央にあるホールからの撮影ができます。

商品撮影の場合は、見栄えが非常に重要と思いますので、セッティングにはそれなりに時間をかけるかも知れません。イラストの場合は、どちらかというとアングルが重要と考えますが、セッティングそのものにあまり時間はかけたくありません。

もし平べったいもの、例えばスマホのようなものを正面から撮影したい場合は、底面にそのままおいて上から撮影できれば、それが一番手っ取り早い方法です。わずかに角度をつけたいなら、スマホの裏側にちょっとしたスペーサを入れることで実現できますし、スタンドのような余計なものをイメージに入れずに撮影できる点もグッドです。

まとめると、上から撮影できることで、品物によっては、セッティングの時間短縮になります。またスタンドなどを使わないことで、よけいな線をイメージ内に入れずに済み、トレースしやすくなります。

こうしたいくつもの工夫から、コンパクト性については100点の評価です。

収納性

収納性には、コンパクトさ扱いの容易さの2つの面があります。ここではコンパクトさについて確認し、収納する際の扱いやすさについては、事項の「組み立ての容易さと安全性」に含めます。

収納時のサイズのコンパクトさは十分と言えます。そもそも折り畳み構造なので、畳めば40㎝角の平べったいシートになります。

また、不織布製の専用バッグが添付されている点も評価できます

収納性についての評価は100点です。

組み立ての容易さと安全性

組み立ての容易さと安全性については、微妙な点がいくつかあります。

シートが頑丈な反面、折り癖が強く、折り畳むときも、組み立てるときも折り癖と戦う必要があります

その際に気をつけたいのは、LEDアレイです。LEDアレイについては、「照明」の項でご紹介していますが、裸のアレイがそのまま接着されているため、うっかり手をこすりつけ、傷ついてしまう可能性があります

また、特に折り畳む際に、シートのエッジをアレイに引っかけてしまいがちです。コンパクトさとトレードオフなので、止むを得ない部分もありますが、将来的には改善して欲しい部分です。

組み立てプロセス

組み立ての流れを、簡単にご紹介します。

折り癖が強いため、決して畳みやすいとは言えない。組み立て時も同様
折り癖を取りながら形を整える
3枚のシートの丸穴を揃える。3枚の位置合わせを行うのは、意外とやりにくい
揃えた丸穴に、内側から固定具を取り付ける
次に外側からキャップを取り付ける

キャップは、「締める」場合に「半時計方向」(表示は「OFF」)に回転させます。海外販売を意識しての英語表示かも知れませんが意味がよくわかりません。仮に、装着を「ON」とした場合、表示と操作が真逆です。単純な設計ミスのような気がします。

組み立ててからも折り癖が残っているため、側面がぐにゃりと曲がったままです。そのため上下の折りを逆方向に折り曲げて、折り癖を取ってあげなくてはなりません。「手軽さ」「コンパクトさ」などとのトレードオフとは言え、少々煩わしく感じられるのは否めません。

組み立ての容易さと安全性については80点の評価です。今後改善されるであろう期待を込めて高めの評価をしました。

まとめ

素材撮影のために用意した「撮影ボックス ek-sb003 」の「取り扱い」に関する評価を行いました。2021年3月末時点のロットなので、現時点で少なからず改善・改良されている可能性があります。あくまでもご参考までということでご理解ください。

この製品の場合、送料・税込みで4000円を切ります。決して高価ではありませんので、コストからすればこんなもの、という評価になってしまうかも知れません。

しかしながら、撮影ボックスという製品はまだまだ発展途上に感じられます。アイディア次第では、より安価でより優れた製品が出てくるかも知れません。このジャンルがより充実することを期待しています。

次回は、実際に撮影を行い、撮影面における製品の特長について確認したいと思います。

関連リンク

当該製品の取説(PDF)です。ご参考まで。

小物やドールの撮影に使っている撮影ボックスです。重宝してます。

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