イラストの仕事に関して、クラウドワークス、ランサーズ、ココナラ、SKIMAの4つのクラウドソーシングサイトでのリクエスト数やその内容を比較してみました。
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラの3つのサイトは総合サイトです。また、SKIMAはクリエーターズ向けの専門サイトとなります。
サイトの規模やテリトリーは異なりますが、各サイト共通のジャンルであるイラスト関連業務に着目し、2Dイラストに関連するクライアントからのリクエストについて、カテゴリ毎にその数量を確認しました。
リクエスト数とその内容は刻一刻と変化するため、6月~7月で設定した特定の日時における情報を分析しています。
イラスト関連リクエストの概要
2Dイラスト関連リクエスト数とその内容
各サイトのリクエストの内容です。
2Dイラスト関連 | クラウドワークス | ランサーズ | ココナラ | SKIMA |
イラスト作成 | 155 | 37 | 37 | 48 |
アイコン・ヘッダー作成 | 5 | 13 | 17 | |
キャラクター作成 | 8 | 14 | 12 | |
ゲームイラスト | 2 | 1 | 5 | |
書籍カバー・挿絵 | 6 | |||
キャラクターモデリング・下絵 | 8 | 3 | ||
漫画・コミックの制作 | 92 | 11 | 11 | |
似顔絵作成 | 2 | 4 | ||
LINEスタンプ作成 | 2 | 2 | ||
イラスト・漫画の添削・アドバイス | 2 | |||
その他(イラスト・似顔絵・漫画) | 3 | 1 | ||
計 | 264 | 54 | 86 | 97 |
2Dイラスト関連のリクエストを、イラスト作成~その他まで、11カテゴリに分類しています。
サイトによってカテゴリーが微妙に異なります。例えばクラウドワークスの「イラスト」には、他のサイトが細かく分類しているカテゴリが含まれている可能性があります。
専門サイトのSKIMAの場合は、カテゴリーが細かく分類されていますが、その多くは「イラスト制作」から派生したものと考えられます。
各サイトの2Dイラスト関連リクエストの割合
イラスト関連業務数はクラウドワークスが最も多く、4つのサイトの総数の半分以上を占めます。

以下、いくつかのカテゴリーをピックアップしてサイト比較をしていきます。
イラスト関連リクエスト・カテゴリーごとの割合
2Dイラストの中の11カテゴリから、3サイト以上に共通の5つのカテゴリに関してサイトごとの割合をグラフ化してみました。
イラスト作成
「イラスト作成」については、クラウドワークスが4つのサイトの総計の半分以上を占め、次いで、クリエーター専門サイトのSKIMAが健闘しています。

アイコン・ヘッダー作成
「アイコン・ヘッダー作成」カテゴリーについては、ココナラがリクエスト総数の半分近くを占めており、次いでSKIMAが4割近くを占めています。
また、このカテゴリーはランサーズにはありません。

キャラクター作成
「キャラクター作成」カテゴリーについては、ランサーズが4割を占め、次いでココナラが3割以上を占めています。
SKIMAにはこのカテゴリーはありません。

ゲームイラスト
リクエスト数は少なめですが、「ゲームイラスト」が3サイト共通でカテゴライズされています。
このカテゴリでは、SKIMAが6割以上を占めています。

漫画・コミックの制作
「漫画・コミックの制作」カテゴリにおいては、クラウドワークスが8割以上を占めています。
クラウドワークスにおけるこのカテゴリの内容は、マンガ動画のイラスト作成依頼がほとんどです。

まとめ
概要
2Dイラスト関連について、3つの総合クラウドソーシングサイトおよび、1つのクリエーター専門サイトの計4サイトでそのリクエスト内容を調べてみました。
リクエスト総数としては、クラウドワークスがダントツの一位です。
このジャンルを11カテゴリに分類した場合、クラウドワークスがトップなのは、「イラスト作成」と「漫画・コミック」の2つのカテゴリのみでした。他のカテゴリについては他の3つのサイトがうまく住み分けているようです。
アプローチ
サイトや案件によって応募者の数や選定基準に差があるため、個々の案件に合わせたアプローチや戦略が必要です。ここでは、全体的な傾向から考えられるアプローチについて述べたいと思います。
リクエスト数の少ないサイトでは平均的に応募者は少なめです。同じ案件なら、応募者の少ない案件に応募した方が、採用確率は上がる可能性があります。
また、「漫画・コミック」カテゴリーの主たる仕事である「マンガ動画」のイラスト作成については、リクエストが多い分、クラウドワークス内でのクライアント同志の競争が働き、仕事が選べるだけでなく、金額的にも有利なものが選択できる可能性があります。
SNS等で使われる「アイコン」については、リクエストの総数そのものが少なく、SKIMAとココナラに集中しています。ただ、「アイコン」そのものの需要は決して少なくないと思います。多くの人は、フリー素材を使ったり、自分で描ける人は自前で用意したりすることでしょう。
「アイコン」と「キャラ」については、SKIMAの「キャラ販売」ページを利用して自分の作品を掲載してはどうかと思います。参加者が異常に多いコンペに参加するよりも、同じ手間をかけるなら、制作した作品を販売ページに置いて購入してもらった方が、無駄が少ないように思います。
また、「イラスト制作」は結構バラエティに富んだリクエストが多いという印象です。中でも「キャラ」を描く仕事には人気が集中し、場合によっては、1案件に対して30~50人ほどの応募があります。半面、「背景」のような手のかかる割に地味な仕事への応募者は少な目です。採用確率を上げるという点においては、あえてこうした人気の乏しいジャンルを狙うのもありだと思います。
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