クリップスタジオペイントの「ジッター」代理機能

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クリップスタジオペイント(以下クリスタ)は、プリインストールされた豊富な描画ツールを備えていることに加えて、個々のツールが自由にカスタマイズ可能です。

そんな優れたクリップスタジオペイントですが、絵本風のキャラを描くに当たっては、ちょっと手こずりました。絵本の作画に用いる手描き感の強い描線がなかなか実現できなかったからです。

こうした手描き感の強い、線幅がランダムに変化するような「ジッター」と呼ばれる機能はPhotoshopやAffinity Photoには標準的に備わっています。対するクリスタにはその名称の機能はありません。

今回は、クリスタの「ブラシサイズ影響元設定」を用いることで「ジッター」の類似効果が得られたのでご紹介します。

キャラ

このロボットキャラが登場する幼児向けのムービー絵本の作画にクリスタを用いることにしました。

描線は、線幅をランダムに変化させた手描き感の強いものにしようとクリスタのブラシやペンの設定を確認しましたが、該当する機能がどこにも見当たりません。

線幅をランダムに変化させる「ジッター」機能

ペンやブラシの線幅をランダムに変化させるのが、PhotoshopやAffinity Photoに備わっている「ジッター」という機能です。

以下はAffinity Photoの例です。Affinity Photoの場合は、ブラシの「ダイナミクス」設定が各種ジッター設定になります。

線幅(サイズ)だけでなく、色や回転なども変化させることができます。もはや「効果」と言えるほどの変化が実現できます。

Affinity Photoの多彩なジッター設定

クリスタの「ブラシサイズ影響元設定」

クリスタには、「ジッター」という名称の機能はありませんが、類似の機能である「ブラシサイズ影響元設定」を用いて線幅をランダムに変化させてみました。

  1. ブラシのサブツール詳細設定に入り、「ブラシサイズ」を選択します。
  2. 「ブラシサイズ」設定の右端にあるボタンをクリックすると、さらにその下にある「ブラシサイズ影響元設定」が出てきます。
  3. ここで、「ブラシサイズに影響させる入力」の「ランダム」にチェックを入れます。

以上の設定で線幅にランダムな変化を与えることが可能になります。

もっと前面に出てもいい機能だと思うのですが、今のところはメニューの奥の奥に入らなくてはなりません。このアプリのコンセプトとしては、かなり特殊な用途と考えられているのかも知れませんね。

ミリペン、7px、ランダム、min 0%

実際に何種類かの設定で実際に描いてみた線です。

用いたツールは「ミリペン、7px」です。「ブラシサイズに影響させる入力」は「ランダム」を指定し、ランダムの線幅の最小値は0%(min 0%)です。

この設定により、線幅は100%から0%まで変化し、とぎれとぎれの線が描画されます。

ミリペン、12px、ランダム、min0%

こちらは、同じミリペンを用いて、線幅を7px → 12px に変えてみたものです。

ミリペン、7px、ランダム、min50%

こちらは、線幅を元の7pxに戻し、線幅のランダム変化を50%~100%の狭い範囲にしてみたものです。線幅の変化の幅が小さくなるので、ぱっと見ランダム感はかなり乏しくなります。

まとめ

クリスタの「ブラシサイズ影響元設定」を用いて、PhotoshopやAffinity Photoにおけるジッター類似表現を試みてみました。

「手描き感」の強いタッチであれば、クレヨンや水墨画筆も選択肢に入ることでしょう。できれば「切り絵」に近い表現が欲しかったのですが、さすがにそれはかないませんでした。今後の課題ですね。

当設定を手描き風表現のバリエーションのひとつに加えていただけたら何よりです。

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