タブレットのペン先が減らないペーパーライクシートを探す(第2弾)

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「カラーソフト透明下敷き」CSS-B5

この記事は、実験の第2弾のものです。実験はまだ継続しており最終結果ではありません

前回お勧めした塩ビ下敷きNK-150の長期使用後の評価

2021年5月に、タブレット専用ペーパーライクシートの代用として使える素材として、硬筆習字用の下敷きに関する記事を出しました。

この時、描き味とペン先の減りの少なさで三菱ユニのNK-150(塩ビ製0.8㎜厚)をお勧め製品としてご紹介しました。

NK-150の30時間使用後の評価

最初の実験の後、この下敷きを30時間ほど使い込みました。ペン先は相変わらずほとんど減りが見られませんでしたが、描き味についてはやや不満が大きくなってきました。

素材が柔らかいせいで、ペンをやや強めに抑えるとちょっとしたひっかかりが感じられます。そして、力を抜くと突然ツルリとペン先が滑ります。実験の第一段階でも気がついていた点ですが、当初は楽観視していました。

というのも「慣れ」で解消できるのではないかと考えていたからです。ところが、慣れるどころか、ペンの運びが次第に不安定になってきているように感じられ、一旦使用を中断しました。

各種硬筆習字用下敷きの比較

NK-150にこだわらず、もう少し他の製品も使ってみた方がいいのではないか。

そう考え、NK-150に加え、さらに4種類を追加で用意し、合計5種類について改めて比較検討しました。

5つの製品を評価した結果、

  • 株式会社ソニックの「やわカタ下敷き」SK-4081-T
  • 共栄プラスチックの「カラーソフト透明下敷き」CSS-B5

の2点がNK-150と比べて、いくらか快適に使えることがわかりました。

今回準備した下敷き

三菱ユニ NK-150に加え、今回は次の4枚を追加で用意しました。

  • ダイソー プラスチック下敷き
  • 株式会社ソニック 「やわカタ下敷き」 SK-4081-T
  • 共栄プラスチック株式会社 「硬筆用ソフト透明下敷き」 NO.602
  • 共栄プラスチック株式会社 「カラーソフト透明下敷き」CSS-B5-Y

各下敷きの特徴(名称、メーカー、価格、材質、表面仕上げ、描き味)

それぞれの下敷きの特徴や、描き味に対する評価を一覧表にまとめてみました。

製品番号NK-150不明SK-4081-TNO.602CSS-B5-Y
名称硬筆習字用プラスチック下敷きやわカタ下敷き硬筆用ソフト透明下敷きカラーソフト透明下敷き
メーカー三菱ユニダイソー株式会社ソニック共栄プラスチック株式会社共栄プラスチック株式会社
実際に購入した価格(税込)138円110円231円158円176円
サイズB5B5B5B5B5
厚み0.8㎜不明1㎜1.2㎜0.8㎜
材質PVC不明PVCEVA(オルフィン)PVC
表面仕上げマットツヤシボ面、ツヤ面シボ面、ツヤ面シボ面、ツヤ面
硬さ柔らかいかなり硬いやや硬いかなり柔らかい柔らかい
描き味適度な柔らかさによりペン先の走りが抑えれている。そのため引っかかりを感じる場合がある。シボがないため、滑りが良すぎる。かなり大き目のシボがあり、ペンを走らせると、大きな音がする。描き味は悪くはないが、やや大雑把な印象。細かなコントロールが難しいと感じることがある。非常に柔らかい素材。シボ面、ツヤ面ともゴム面のような描き味。滑りがよくない。シボの程度が一般のペーパーライクシートに近い。NK-150同様の柔らかさによる引っかかりが感じられる。
ペン先の摩耗30時間使用しても、摩耗は少なく、切削バリは全くない10時間程度使用。ペン先に大きな減りは見られない

描き味

前回の実験では、シートにある程度の柔らかさがあれば紙の柔らかさが再現でき、ペーパーライク感が得られるという仮説を立て、次のような式を用いました。

ペーパーライク感 = 表面のシボ + 素材の柔らかさ

しかし、今回何種類かの下敷きを実際に使ってみて、ペーパーライク感に与える影響力の強さは、表面のシボ(滑りにくさ)の方がかなり大きいのではないかと感じました。

ペーパーライク感への影響度 → 表面のシボ >> 素材の柔らかさ

あくまでも感触、感覚を式にしたものなので、人によって微妙に異なる可能性はあります。そして、これが正しければ、一般のペーパーライクフィルムが、表面のシボだけでペーパーライク感を出しているのはリーズナブルなことだと思います。

つまり、必ずしも 柔らかい素材 = 描きやすい わけではないことがわかりました。

また、表面のシボが粗いと、ペン先のコントロールも粗くなり、細かな描画がやりにくと感じられました。

各下敷きのペン先の減り具合

十分な描画時間が確保できているのは、NK-150(30時間使用)および「カラー透明下敷き」(10時間使用)の二種類です。10時間程度だと、どちらもペン先に顕著な減りは見られませんでした。

総合評価

現時点では次の2つの製品が比較的描き味がよいと感じられました。

  • 株式会社ソニックの「やわカタ下敷き」SK-4081-T
  • 共栄プラスチックの「カラーソフト透明下敷き」CSS-B5

ただし、それぞれ一長一短あり、どちらがよいとも悪いとも言えません。

「やわカタ下敷き」SK-4081-T「カラーソフト透明下敷き」CSS-B5
長所素材がやや硬めであることから、描き味はスムーズで悪くはない。シボの程度が一般のペーパーライクシートに近く、適度な摩擦が得られる
短所かなり大き目のシボがあり、ペンを走らせると、大きな音がする。表面加工がやや大雑把なせいか、細かなコントロールが難しいと感じることがある。NK-150同様の柔らかさによる引っかかりが感じられる。

まとめ

硬筆習字用下敷きに換えたばかりの最初の何時間かは、その感触のよさに感動もしましたが、細かな描線を行うほどジワジワと不満が募りました。既存のペーパーライクシートをなかなか超えることができず、少々悔しさを感じています。

これまでの実験を通して感じたのは、次の4点です。

  1. シートの柔らかさは必ずしも描きやすさにつながらない。ただし、ペン先の減りは抑えられる。
  2. シートの柔らかさよりもシボの有り無しの方がペン先の滑り具合により強く影響する
  3. シボのサイズが小さいほどペン先の細かいコントロールが可能
  4. 替え芯の材料「ポリフェノール」よりもシートの素材が柔らかければペン先の減りは抑えられるのではないか?(仮説)

次のステップ

上記の点を踏まえて、塩ビの硬筆用下敷きにこだわらず、ABS(一般的なプラスチック素材)程度の硬さで、かつ表面に細かなシボがついているシート素材を探し、一定期間使用してみたいと思います。

このような素材であれば、一般のペーパーライクシートと同等の機能を有していることになります。そして、ペン先の減りが少なければ、コストパフォーマンスの高い素材としてご紹介できるかも知れません。

当実験はしばらくの間継続して行われます。毎回より良い結果が出せるよう検討を重ねていますので、新しい報告をお待ちください。

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