目的
ちょっとしたきっかけで定年前後からイラストを始め今年で3年目になりました。
まだまだ未熟ではあるものの、イラストに関連する仕事探しをしています。ですが、なかなか思うように仕事が得られていないのが実情です。
ただ、仕事を探しながら何かがおかしいと感じていました。そして、いろいろ調べるうち、様々なことがわかってきました。
今回は、イラストレーターを2方向で分類し、イラスト関連業務にまで業務範囲を広げ、どんな人がどんな仕事に向いているのかを検討してみました。
イラストレーターのタイプ
イラストを描きながら、イラストレーターにはいくつかのタイプがあるのでないかとぼんやりと認識していました。
その一つは作家性の高い「作家」タイプ。そして、もう一つはとにかく細かいところまでこだわり完成度の高い作品を描こうとする「職人」タイプです。
あくまでも個人的に感じていたことですが、同じように感じているイラストレーターや絵本作家の方々がいるようで、ご自身のブログにこの話題について書いていらっしゃいます。(最下部の関連サイト1,2参照)
出典がないので、ご自身の考えなのかも知れません。
作家タイプ
作品を丁寧に仕上げたり、細かい仕上げにこだわるよりもオリジナリティを重要視するタイプ。
職人タイプ
オリジナリティや個性よりも、スキルや仕上げの丁寧さ、キレイさを追求するタイプ。
二つのタイプを分ける要素
作家タイプと職人タイプは非常にわかりやすい分類だと思います。
実際には、二つのうちのどちらかに分類されるわけではなく、二つのタイプがアナログ的にブレンドされているように感じます。
イメージとしてはこんな感じです。



この二つのタイプを分ける要素は、私から見るとズバリ価値観です。イラストという作品、あるいはその仕事の何を重視するかは、そのイラストレーターの価値観がベースになっていると思います。
イラストレーターが目指すゴールは価値観で大きく変わります。この二つのタイプはあたかも真逆に進んでいるかのように私には見えます。
また、価値観は経験や年齢などでも変化します。イラストレーターとしての進化のステージで、職人タイプだった人が作家タイプになったりすることもあるでしょう。逆もまたしかりです。
イラストレーターのタイプ(別の切口)
イラストレーターのタイプは、上記の二つに限ったことではありません。
私自身が考えるイラストレーターについての他のタイプをいくつか挙げてみます。
- 多彩タイプ:様々な既存のキャラが自在に描け、オリジナリティよりも似顔絵、二次創作を重視するタイプ
- オリジナリティタイプ:とにかく自分のキャラやスタイルを重視する。オピニオンリーダータイプ
- 先生タイプ:自分で描くのももちろんだが、身に着けた様々な技法や知識について他の方に教えるのが上手なタイプ
- 柔軟タイプ:クライアントの様々な要求に柔軟に対処、対応し、期待以上の品質で仕上げるタイプ。またチーム作業では、リーダー、サポートなど役割をきちんと果たすタイプ
業務形態(社員ーフリーランス)
次にイラストレーターをその業務形態でざっくりと分けてみたいと思います。
企業に入り、そこで専門家として働く「会社員」と、組織に所属しない「フリーランス」の二つのタイプを想定しました。
会社員
企業に入社し、そこで社員としてイラストを描く仕事を行う方。
フリーランス
フリーランスとしてイラストを描いている人。特定の会社の仕事だけでなく幅広くこなす方。
また、病気や家庭の事情で通勤やチームワークが難しく、止む無くフリーランスになる方もいると思います。私のように、高齢であることから、新人として入社するのが困難な場合もこちらに入ります。
イラスト関連業務
一般的に「イラストレーター」と呼ばれる職業は、クライアントの指示に従って作画を行う専門家であり、多くの場合、作家性よりも職人としての技術が求められます。
そこで、一般的なイラストレーターという仕事に合わない、あるいはできない場合は、イラストに関連する他の業務にも視野を広げてみてはどうかと思います。
イラストレーター関連業務
個人的に「イラストレーター」に関連していると考える業務です。
アニメーター、アートディレクター、イラスト進行管理、グラフィックデザイナー、漫画家、画家、CGモデラー、キャラデザイナー
【ちょっと遠いが】ファッションデザイナー、建築家、プロダクトデザイナー、インテリアコーディネーター
イラストレーター関連業務(業務委託サイトにおける分類)
レイバッククリエーター(関連サイト参照)というイラストレーター業務委託サイトにあった、イラストレーター関連業務です。何とも多様ですね。
Webデザイナー、HTMLコーダー、UIデザイナー、フロントエンドエンジニア、2Dデザイナー、キャラクターデザイナー、アニメーター、プロダクトデザイナー、DTPデザイナー、3Dデザイナー、モーションデザイナー、エフェクトデザイナー、グラフィックデザイナー
稼ぎ方ポジショニングマップ
イラストレーターのタイプを横軸に、業務形態を縦軸としたポジショニングマップに、イラストに関連するいくつかの業務を、感覚的にですが置いてみました。
このマップの使い方としては、最初に自分の適性(作家タイプか職人タイプか)と業務環境(企業に入るかフリーか)を想定します。そこから活躍できるマップ上のエリア(右上、右下、左上、左下)がわかります。そのエリアにある仕事が候補と考えられます。
あくまでも個人的な観点で作ったマップなので、自分の考えで並べ替えてもいいでしょうし、分類の仕方を大きく変えてもいいと思います。自分なりに納得できることが重要な気がします。

まとめ
イラスト関連の仕事を探すにあたり、こうしたタイプ別のアプローチは私にとっては非常に有用と感じられました。
私事で申し訳ありませんが、還暦を過ぎた自分が今からイラスト職人になれるとはとても思えません。下積みの時間が少なすぎるのです。仮にあと10年イラストレーターとして活動できるなら、腕を磨くことよりもオリジナリティを追求したいと考えます。年齢的に企業への入社はまず無理でしょうからフリーランス一択です。
いくつかのクラウドソーシングサイトに登録はしてみたものの、そこで求められている仕事のほとんどは職人としてのスキルに他ならず、なかなか上手くいかないのは当然のことなのかも知れません。
選べるエリアはポジショニングマップの左下になります。そのエリアの中心には、画家やマンガ家があります。そうした肩書でいきなりデビューできる可能性は限りなくゼロなのですが、労力を無駄に消耗してしまう分野で戦うよりはましな選択かも知れません。
いずれにせよ、こうした分類を行ったことで、今の自分にやれること、やれないこと、力を注いで有意義な分野などが明確になったことは大きな収穫と感じています。
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