背景 ー 本当にやりたいことって何?
この記事では、自己理解メソッドという分析手法を用いて、「なぜイラストを描くのか?」という自分自身が抱える疑問を解き明かしていきたいと思います。
ここ何年かイラストを描いてきたものの、なかなか安定した仕事に結び付いていません。果たしてこのまま続けるべきなのか、あるいは方向性を見直した方がいいのか迷うところです。
そこで改めて、自分がなぜイラストを描いているのかについて、自己分析してみようと考えました。
私のように高齢からイラストを描き始め、路頭に迷っている人は決して多くはないでしょう。なので、あまり参考にならないかも知れませんが、冷やかし半分ででも読んでいただければ幸いです。
方法
書籍『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の第三章「やりたいこと探しを最速で終わらせる公式」自己理解メソッドを使い、そもそも自分は何がしたくてイラストを描いているのかを分析してみたいと思います。
書籍では、最初に「やりたいこと」そして、次に「本当にやりたいこと」と、2段階に分けて分析を進めています。この記事では、最初の「やりたいこと」にフォーカスします。
分析ツール - 自己理解メソッド
分析に用いるツールは、書籍で紹介されている「自己理解メソッド」をそのまま使います。
この手法では、
- 好きなこと
- 得意なこと
の2つを組み合わせて「やりたいこと」を見つけ出します。
「やりたいこと」を見つけ出すための公式
やりたいことを見つけるための公式は
好きなこと X 得意なこと = やりたいこと
です。下図のようなイメージです。

「好きなこと」とは
「好きなこと」とは、情熱を持って成長し、取り組める分野、ジャンルのことです。
ある分野やジャンルに対して、以下のような気持ちが沸きあがるようであれば、それはまさしく「好きなこと」と言えます。(以下引用)
- 興味があってもっと知りたいと感じる
- 関わるだけで面白いので「これが本当に仕事でいいの?」と感じる
- 「何で?」「どうすれば?」のような問いが湧いてくる
「得意なこと(才能)」とは
得意なこととは、実は100%全員が持っているのに気づいていない才能のことであり、「自然と人よりも上手くできて、やっていて苦なく心地よいこと」のこと。
何かをやっているときに次のような状態であれば、その何かは「得意なこと」と言えます。(以下引用)
- やっていて心地よい
- 頑張らなくても無意識にやっている
- ストレスがないので夢中になりやすい
- 仕事でなくても普段から自然にやっている
- 他の人に対して「何でこんなことができないの?」と思う
この「得意なこと」には勘違いしやすい点があります。「得意なこと」と「スキル・知識」とは全く別物だということです。
「得意なこと」は元々持っていた要素であり、「スキル・知識」は、後天的に身に着けたもので、この二つはよく混同されるようです。
結果
自己理解メソッドは、広く「やりたいこと」を見つけるための手法なので、ここでは一旦「イラストレーター」という前提は忘れて、分析を進めてみたいと思います。
好きなこと
「好きなこと」=興味のある分野ということなので、自分の書棚にある書籍のジャンルを確認してみることにしました。
仕事でやむを得ず購入したエンジニアリングや経営・マーケ関連本を除くと
- コミック(ミステリーものが多い)
- 新書(啓発、心理、歴史、経済など)
- 小説(ほとんどミステリー)
- 楽譜、演奏法、作編曲技法書、音楽雑誌、美術技法書(多くは水彩)
- 園芸関係
などが、書棚に並んでいます。これらが興味のある分野ということなのでしょうね。
得意なこと
繰り返しになりますが、得意なこととは
- やっていて心地よいこと
- 頑張らなくても無意識にやっていること
- ストレスがないので夢中になりやすいこと
- 仕事でなくても普段から自然にやっていること
- 他の人に対して「何でこんなことができないの?」と思うこと
「得意なこと」は、すなわち、始めるとつい夢中になってしまい、時間を忘れてしまうようなことですね。
私の場合は、菜園、掃除、本を読むこと、文章を書くこと、今なら絵を描くこと、自作すること(パソコン、野菜、家具類など)などでしょうか。ジャンルが広くなりすぎるため、ここではスポーツ関連を除いています。
考察 ー 「やりたいこと」
「好きなこと」と「得意なこと」を表に並べてみました。
好きなこと | 得意なこと | やりたいこと |
エンタメ 読書 音楽 美術 園芸 | 読書 作文 作画 作・編曲 モノづくり | ? |
ここでは「イラスト」に近い要素として
好きなこと → エンタメ
得意なこと → 作画
を選んでみました。結果として「やりたいこと」=「漫画を描くこと」を思い浮かべました。
職業例としては「マンガ家」になります。
ただ、「エンタメ」関係で「絵を描く」人は他にもいます。例えば、映画監督(絵コンテ)、アニメーター、グラフィックデザイナー、書籍制作者、イラストレーターなどなど。メディアだけでなく、ゲームにまで視野を広げるとキャラデザイナー、モデラーというように、さらに大きく広がります。
ここで、いくつかの職業名が出てきましたが、職業とは「なりたいもの」のことです。この分析で得られるのは「やりたいこと」であり、「なりたいもの」とは別物です。
ついつい具体的な職業を思い浮かべてしまうのですが、先に職業をイメージしてしまうと選択範囲がどーんと狭まってしまうようです。
そこで、「エンタメ」X「作画」=「やりたいこと」=「エンタメ関連メディアやゲームなどのイメージ中心の創作で人々に感動を与える」ことをひとつの答えとしたいと思います。
あくまでも何らかの仕事を見出すことを目指していますので、自己満足だけで終わらせずに、人々にどんな価値を与えられるか(その結果対価が得られる)=ここでは「人々に感動を与える」までを「やりたいこと」に含めたいと思います。
まとめ
「なぜイラストを描くのか?」をテーマに、書籍で紹介されていたメソッドを用いて、自己分析を試みました。
まずは「好きなこと」「得意なこと」をピックアップし、「エンタメ」X「作画」から「エンタメ関連メディアやゲームなどのイメージ中心の創作で人々に感動を与える」という「やりたいこと」を導き出しました。
この答えが示す職業のひとつはイラストレーターであり、自分がいまやっていることは「やりたいこと」の延長線上にあることがわかりました。しかし、決してイラストレーターだけがゴールというわけではなく、数多くの選択肢があることもわかりました。
イラストレーターという仕事に見込みがなければ、別の選択肢を選べばいいのです。あるいは、いままでになかった新しいスタイルのイラストレーター像を確立できるかも知れません。
さて、このメソッドで導き出されるのは、「やりたいこと」だけです。
なぜ「やりたいこと」が仕事とうまく結びついていないかについては、新たな分析が必要になります。さらなる分析については日を改めて行いたいと思います。
参考書籍
- 世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 – 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド 八木仁平 KADOKAWA
コメント