マンガ動画のイラストの仕事を請け負う前にやっておきたいこと

イラストの仕事

クラウドソーシングサイトに「イラストレーター」として登録するや、その日のうちにお声がかかってきました。

「マンガ動画のイラスト制作をしませんか?」

単純に嬉しかったですね。自分のイラストが認められたような気持ちになりました。

しかしその制作条件を見て愕然としました。納期通りにできないことは明らかでした。

マンガ動画とは?

1~3コマを1ページにレイアウトした紙芝居スタイルの動画があり「マンガ動画」と呼ばれています。Youtubeなどの動画サイトでは、一定の人気があり、ひとつのジャンルとして成り立っています。

ナレーションは通常1名の女性声優が声音を変えて行ないます。女性声優であれば、女声に加えてちょっと高めの男声が出せるからでしょう。

「マンガ動画」というのは、考えてみるとおかしな言葉です。マンガを動画にしたら普通はアニメでしょう。しかしアニメではなく、紙芝居であり、キャラの話し言葉は吹き出しに表示されます。

要するに、マンガ(コミック)と紙芝居と動画のハイブリットなのです。

マンガ動画のパターンはおおよそ決まっており、結局のところテーマ勝負になっている状況です。

マンガ動画の仕事の内訳

テーマや企画を除いたマンガ動画の実作業は、次の4種で成り立っています。

  • イラスト
  • 声優によるアフレコ
  • 編集
  • シナリオ

作業時間、労力とも、イラスト制作が最も重たい仕事と思われます。

マンガ動画イラストの制作条件

1本の動画に必要となるイラストの枚数は、25枚から30枚程度で、一枚あたり1~3コマに分割されます。納期は通常1週間に設定されています。

通常のコママンガ同様に、登場人物からは吹き出しが出され、セリフが書き込まれます。

イラストとセリフを入れた吹き出しは、それぞれ透明化され、バラバラのPNGデータもしくはレイヤー分けされたフォトショップデータで納品されます。セリフに合わせてキャラの口をパクパクさせたい場合は、開いた口と閉じた口の両方を作ります。

マンガ動画イラストの現在(2021年)の品質

求められる作画品質は年々じわじわと高くなっています。

出始めの頃(数年前?)は、ややデッサンの甘いアニメ塗りの絵だったのが、2021年現在のイラストは次のような品質レベルです。

  • デッサンの狂いは少ない。コミックの初心者相当レベルで、セミプロと言っていいレベル
  • 基本はアニメ塗りだが、丸みのある部分にエアブラシを使ったグラデーションが用いられる
  • きちんと描かれた背景もしくは効果(心理に合わせたパターンなど)
  • キャラの表情はコミックレベル
  • キャラは萌え系でどの動画もかなり似通っている。女性キャラの多くは、パッと見、誰が見ても可愛い

対価

初めての仕事においては、パッケージで10,000円~12,000円程度が相場です。

仕事を請け負う前に作っておきたいサンプル動画

クラウドソーシングにおけるイラストの仕事は潤沢というわけではありません。

パソコンやソフトウェアの発達で、お絵描き人口は増えているのかも知れませんが、それを受け入れるほどに仕事量が増加しているわけではありません。

結局、ひとつの仕事に多数の応募が殺到するため、単価は下がり、条件はより厳しくなります。

そこで、仕事を請け負う前に、サンプル動画、もしくは動画用のイラストを最低1枚制作し、求められているレベルの仕事がどれくらいの時間でできるかを念のために見積もっておくことをお勧めします。

サンプルで作ったものは、ポートフォリオにもできますし、動画は公開すれば多くの人に見てもらえる可能性もあります。

サンプル動画例

私は、次のようなサンプル動画(限定公開)を作りました。

作業の全体像を把握したかったので、一本の動画制作のすべてを一人で通して進めてみました。

Manga Movie Sample

イラストサンプル

動画で使った何枚かのサンプルイラストです。

実際にかかった作業時間

枚数は約20枚で、制作時間は20時間でした。

一度描いたキャラは、できるだけ繰り返し使いまわし、背景はストーリー上必要なもの以外はグラデーションなどを配置する程度としました。また、ページによっては絵ではなく写真で表現しています。

キャラも自分のキャラであり、一コマあたり1~2体程度です。1枚当たり1時間は、相当条件のよい場合に成り立つ、必要最小限の時間と言ってよいかも知れません。

想定しておきたい作業時間

請負仕事の場合は、自分の思うように描けることはまずないと考えた方がいいと思います。つまり、想像以上に時間がかかる可能性があります。私が請け負う場合は、1コマ1時間が妥当な見積と考えています。

つまり、単純計算で、マックス 30枚 X 3コマ = 90コマ = 90時間

となり、これを7日で割れば、一日13時間、5日で上げるとすれば、一日当たり18時間と作業時間が算出されます。

もちろん、これはあくまでも今現在の私のスキル、経験、作画スピードでの話ですが、どう見てもこの仕事を請け負うのは無理でしょう。

まとめ

このマンガ動画のイラスト制作は、初心者の私にとっては相当にキツイ仕事だということがわかりました。

応募して、仕事を請け負うかどうかはあくまでも応募者の判断になりますが、是非事前に一枚でも描いてみて、要するであろう時間を見積もったうえで挑戦することをお勧めいたします。

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