イラストやマンガを描き始めてある程度上達すると、これを仕事にできないかと考える人は少なくないと思います。
そこで、手始めにクラウドソーシングサイトに登録して看板を上げます。しかし、看板を上げたところですぐに仕事の依頼を受けることはまずありません。
次に積極的にコンペやプロジェクトに参加します。この方法でも、いい仕事がポンポンと取れることはほとんどありません。競争率が高いだけでなく、一人でもプロレベルの人がいれば選ばれることはまれです。
それでも好きなことだからと、ネットへの掲載を続けている人も多いと思います。考えてみるともったいない話です。そこで、一生懸命に制作した作品を描き貯めることで、何らかの対価が得られる4つの方法をご紹介します。
- イラストAC
- Kindleインディーズマンガ
- Kindle unlimited
- Youtubeマンガ動画
- (番外編)フォトAC
ストック性のある作品の運用方法とは?
ストック性とは、一度作った作品が何度も繰り返し使われることで、利益が生み出されることです。
ストック性の高い製品としては、一度作ったら、繰り返し読まれたり見られたりして利益を生み出す書籍や動画などのコンテンツが代表的なものです。
イラストの仕事にはストック性の乏しいものが少なくありません。一般にイラストは買い切りであり、イラストを使った製品や本がいくら売れてもメーカーや著者のように売り上げが入ってくるわけではありません。対価を得るためには、とにかく描き続けるしかありません。
ここでご紹介する方法であれば、イラストレーターがマイペースで進められ、こつこつと作品を積み上げることでお小遣い稼ぎができます。
イラストAC
イラストACは、欲しいイラストを無料でダウンロードして、個人商用問わず無償でコンテンツが使えるサイトです。このサイトを訪問する人は、目的にかなうイラストやカットを求めている人になります。
イラストレーターは、こちらの入り口から無料で登録して、自分の作品を掲載することができます。
作品のダウンロード一回当たりクリエーターには4円が支払われます。この対価は、主に広告収入が当てられているようです。(2021年6月時点)
たった4円と思われました? 私にはとてつもなく高い金額に見えます。例えば、季節ごとに使われる絵柄などは、何万人もの人の目に触れ、毎年繰り返し使われます。また、訪問する人は、気に入ったイラストを求めている人なので、使えそうだと思えば、とりあえずダウンロードします。何といっても無償ですからね。
もちろん、作品が魅力的であることが前提です。常にライバルが参入する世界ですから、安定は難しいでしょう。それでも、他の作品と異なる個性が光る作品もまた選ばれる可能性は小さくないと思います。誰も使っていない面白いイラストやカットを求めている人も少なくないからです。
一人でも多くの人に、作品を見せ、使ってもらいたいのであれば、是非とも活用したいサイトです。

Kindleインディーズマンガ
Kindleの無料マンガサイトです。
Kindleダイレクトパブリッシングの中のインディーズマンガに特化したサイトになります。
投稿はこちらから行えます。Kindleダイレクトパブリッシングを使ったことのある方であれば、新たに登録する必要はありません。
読み手は、無料でマンガを読むことができ、制作者に対しては「インディーズ無料マンガ基金」から、分配金が支払われます。
マンガオンリーですが、マンガ初心者であれば、出版社の開催しているコンクールや、出版社への直接持ち込みに加えて、このシステムを利用してはどうでしょう。
Kindle unlimited
Kindle unlimitedは、月980円の会員が会費のみで読める「読み放題プログラム」(ただし、指定された書籍のみ)です。
インディーズマンガに同じくKindle本ですが、こちらは一般の個人出版になるので、最低価格99円と値段をつけることができます。
Kindleダイレクトパブリッシングを通しての出版になり、出版者がKindle unlimitedプログラムに参加することで、会員は会費のみで読むことができ、読んだページ数に応じて対価が支払われます。
ジャンルに制限はありませんので、マンガはもちろん、イラスト集、イラストメイキングなどの「イラスト」主体の作品も出版できます。
私もイラストエッセーを一冊出版してみました。一般の出版物に同じく、出版直後はそこそこ読まれましたが、じんわりと売れ行きは落ちていきました。稼ぎたいなら定期的に出版しなくてはなりませんね。かなり小さな金額でもちまちまと振り込んでくれます。
自分の作品を一冊にまとめる必要はありますが、どういう切り口で、どうまとめるかを考えるのもまた結構楽しいものです。工夫次第では多くの人に読んでもらえる可能性があります。
Youtubeマンガ動画
今なら知らない人のほとんどいないであろう動画サイトのYoutube。中でもマンガ動画は一定の人気があります。
クラウドソーシングサイトでは、25~30ページ(1ページ当たり2,3コマ)のマンガ動画の作画を、納期一週間程度で募集しています。人手不足なのか、私も数回声をかけられたことがあります。
クラウドソーシングに掲載されている仕事のほとんどは請負仕事ですが、この記事で言う方法とは、イラストレーター自身がコンテンツを企画制作することです。自分自身で企画制作するのであれば好きな時に好きな内容のものが作れます。
特にマンガも描いている人であれば、書籍スタイルだけでなく、動画スタイルも全然ありだと思います。動画編集は、マンガを描くスキルに比べたらさほど難しくはありません。
動画の魅力はその絵だけに非ず、ナレーターの声もまたしかりです。声に自信があるなら、自分で吹き込むという手もありますし、声だけを外注するのもありです。声優を目指すアマチュアは少なくありません。そうした人たちはそれなりの機材を所有していますので、リーズナブルな金額で高品質な音声データが作れます。
ある程度コンテンツが揃い、登録者が増えないと収益化は難しいかも知れませんが、作品の発表の場のひとつと捉え、コツコツとコンテンツを作り貯めてはどうでしょう。
(番外編)フォトAC
番外編としてフォトACを取り上げたいと思います。
フォトACは、イラストACの写真版です。利用者のダウンロード数に応じて投稿者に対価が支払われます。
「何故写真か」ですが、絵を描く際に、描き慣れないアングルやポーズには自分の身体や、着衣を参考にしますよね。自分にとって難しいアングルやポーズは、他のイラストレーターにとってもやはり難しいのです。特に異性の絵を描く際には、写真を参考にしないことには描けない絵も少なくありません。
特に女性の複雑な服装で動きのあるアングルやポーズの写真はネットを検索してもなかなか出てきません。フォトACであれば自然なポーズの写真が入手でき、個人商用問わず自由に使えます。ですが、バリエーションが非常に少ないのです。
魅力的なアングルで撮影した制服モデルの写真などは、他のクリエーターにとっても有用なのは間違いありません。顔出しする必要は全くなく、アニメキャラのお面でも構いません。
絵を描く際に撮影したその写真、よろしければフォトACに投稿していただけませんか。

まとめ
ここで紹介したサイトについては、すでにご存じのものも少なくないと思います。
手っ取り早く稼ぐのであれば、人手不足のマンガ動画の仕事に応募するのも全然ありです。
私自身、クラウドソーシングに登録して、動画サイトのマンガ制作に応募しようかと思いました。ただ、その前に自分でマンガ動画を作って、どれくらい時間がかかるかを試してみました。
実際に描いてみると、想像以上に時間がかかり、クライアントの求める納期での納品は困難と判断しました。仮に無理をして進めたとしても、睡眠時間が大きく削られ、体調を崩してしまうこと必須ですね。
自分でコンテンツを作り、それが収益を生むまでは相当の時間がかかることでしょう。それでも、スキマ時間を活用したりと自由と健康は確保できます。
ここでは、見方を変えたりアプローチを変えることで、主体的に無理なく進められる方法もあることを知って欲しいと思い記事を書きました。
コメント